誤認逮捕と洗脳され続けた男

このブログは誤認逮捕をされた「私」がその一部始終を綴るBlogです。

【誤認逮捕】上告取下げ

控訴棄却の判決を受け、この後どうするかを考えました。最高裁への上告は日本の刑事訴訟法上3審制になっているので上告は刑事民事を問わず出来ると聞いた事はありますが、これ以上の知識は持っていません。最高裁は人権に関わることか憲法違反を審理する機関で一般的な事件は法廷で審理する事はなく書類審査で判決に違法性があるか無いかをするだけとも聞いた事があります。上告趣意書の提出日が決定はしますが7~8カ月後上告棄却になると聞いた事があります。その間の未決算入日数は判事の自由裁量の為仮に8カ月掛かって却下になり半分の未決算入であったとしても文句が言えません。そんな事を軸に考えた所、此の儘また無駄な日々を過ごすか、勝ち目のない戦いをするのか途方にくれました。間も無く新年を迎えようとする頃でした。仮に誰かに相談することが出来たとしても結論がだせるわけでもなく自分の判断以外なく何日か悩み出した結論は上告を取下げ、残刑を務め上げいつの日か笑って話せる日を迎えることが出来る様にするのが今出せる最良の結論ではないかとの考えが徐々に固まってきました。一審判決懲役3年6月高裁判決控訴棄却での未決算入日を計算した所、残刑は2年2カ月ぐらいだったと記憶しています。年が明けた昭和56年1月1日拘置所の担当さんに申し出て断腸の思いで上告を取下げ既決囚となりました。そしてテレビなどで報道される冤罪のニュースを思い出し、人ごとの様に世の中こんな理不尽な事が本当にあってそれが自分の身に起きたのだと漠然と思いました。これが本当の青天の霹靂で、この言葉以外浮かびません。このブログを見て頂いた皆様事件後39年の歳月が過ぎ去りましたが記憶は未だ鮮明です。どの様にお感じになられるのかはそれぞれですが嘘偽りは微塵もありません。事実を知って戴きたく39年前の 誤認逮捕の真実を後日の為にも書きのこしたかったのです。その辺の私の心情をお汲み取りいただければ月並みな言葉ですが幸いです。有難うございました。